有象無象の雑記

twitterで書けない、書き切れない日々感じたことの文面を投稿していこうかと

2023上半期これが面白かった!!

このところいい加減なエントリが続いているので、たまには書き溜めてからやろうかとは思う。

単純に第三者的に自分を見た場合でも、今年に入ってからでも381冊(6/30時点)も読んでるっていう、アホみたいなことになっているので、そこからちょっとなんかやろうかと。

まあ、その中から「これは面白かったよ!!」というのを紹介するという、なんの捻りも工夫もない記事だけども。

 

そんなわけで今年上半期の中からの10冊。

 

 

 

なんというか色んな意味でセンセーショナルな一冊だし、上半期で一冊だけ選べ!って言われたらこれか次に紹介するやつかのどちらかかってくらい。

とにかく経済産業省の以外の官僚テクノクラートへの徹底した不信と、それに基づいた政策だったのだな、とか、ロシアはいずれウクライナを自国の領土だと思って侵攻するでしょう、とかなり前から予見していたことが見えるのが面白い。

とりあえず生前に出版が一時差し止め喰らったのは当然だろうし、こういう形で世に出た、というだけでもものすごい一冊。

 

 

 

そんでその二冊目。

非常にポップな切り口から日本人の食文化や果ては生活カルチャーそのものが大幅にシフトしていくまでの道筋が見えるっていう、ダイナミクスな面白さがある一冊。

ポテトチップスっていう気軽な切り口からここまで見えるのはすごいとしか言いようがない。

 

 

 

心の病と一口に言っても色んな病態があるものだけれど、それが遺伝子であったり脳器質性のものであるのではないか?というのは昨今言われているものではあって。

その方向性でどこまで現在の研究が進んでいるのかを要覧出来る一冊。

そこまで進んでいるのか!というカルチャーショックを受けるには十分。

 

 

 

酒に纏わるミステリ連作短篇の二冊目。

一冊目(なぜ、そのウイスキーが死を招いたのか (光文社文庫)と違い高級ではないお酒も題材になっているので、題材が手頃になってこちらも読みやすくなっている。

ミステリとしてはちょっと強引なんでは?ってのはあるかもしれないけど、なかなかに洒脱な読み物としておすすめ。

 

 

 

一冊目(SICK -私のための怪物- (ガガガ文庫))の時点でもすごいの出た!だったのに、それを軽く越えてきたっていう。

ライトノベルやSFを愛読している理由の一つに「現実にはない素晴らしいビジュアルを想起させる」物を求めている部分があって、これはもうその一点では素晴らしい以外の何物でもない。

極彩色の水彩画のような悪夢の世界を延々と見せてくれるって体験は、そうそうないよ。

 

 

 

逆にモノクロームの世界を描いた、という意味での凄まじさならこっち。

そのモノクロームである理由は、この一冊では「冬」であるとされているけれど、それは未だに終わりが見えていない感染症のメタファであると同時に、それを切り拓く物はなんなのか、という根源にも触れている。

 

 

 

すごい世界を見せてくれる、という意味ではこれも。

老婆の殺し屋が最後に見せてくれる、守るべきはなんだったのか、そういう意味で非常に読んでて感慨深い物を感じさせてくれる。

これに関しては、もう気になるなら読んで、としか言いようがない。

 

 

 

 

 

あんまり最近の国内SFは俺に合わないなあ、というのが多いのだけれども、これらは久々に「面白い!」と思えた二冊。

どちらも短編集なんだけど、ワンアイデアから膨らましていくストーリーテリングの妙技と冴えが光る。

 

 

 

まあお仕事上と、自分のアイデンティティから、自死について考えることが多く、そういう関連の本はずっと読んでいるのだけれども、その中でも久々に心に来たし、みんなに読んでほしいな、と心の底から思えた一冊。

すごくネガティブな切り口ではあるんだけれども、書いてる人が心優しい人であるからか、命の理由や目的についても考えさせられる、素晴らしい一冊。

 

 

今のところこの十冊かな、今年は。

下半期も面白い本がいっぱい読めれば嬉しいな!!