旅行記二日目。
前日に上洛していて、そのまま朝早く起きてって、冷静に考えたら長時間移動の翌日にやることじゃない。
まあ去年も遅くに宿に入って朝イチ近くの列車で稚内まで行ってるんだから、今更?でもあるんだけれども。
とりあえず今回の旅行は感染症禍前からやれてなかったことや興味はあるが出来ていなかったことを回収していこう、ということがまずありきなので、この二箇所をとりあえず回る。
これはもう「怪奇大作戦」という作品を見ていて好きであれば行かなければいけない場所なんだけども、場所が割と辺鄙な場所(なんて無礼な言い方だ)なので、なかなか今まで足が届かなかったんですよね。
これで本当なら東福寺(「京都買います」で美弥子さんと牧が激しく語り合う場所)も行くべきなんだろうけれども、昨今の外国人を中心とした観光客で溢れかえっている状況を考えると、あの映像の通りに撮るにはそれこそ平日の朝イチを狙うしかないし、でもその時間帯だとあの感じの画角は撮れんだろうなあ、って思ったりで今回はそこはパスした…。
伏見稲荷や金閣寺に感染症禍前に行った時ですら、変な時間だったにも関わらず人が多すぎてちゃんと展示物や社寺仏閣を見られない、だったからねえ。
それにしても「呪いの壷」で最後に燃やされたお寺って、ちゃんと行くと逃げてた路地も建物は流石に建て変わってても区画とかが割とそのままだったし、結構変な逃げ方してたんだな、って思ったらちょっとおかしくなったし、更に言えばそのお寺のすぐのところというかほとんど隣と言える場所に、恐らくその当時から建ってた変電所と高圧線があるんで、あれ燃やした後に更にスパーク火災起きてたんでは……、ってお話だとは思えた。
こういうのも現地に行ってみないとわからんものよね。
「恋する小惑星」も「ゆゆ式」も大好き過ぎる作品なので、それはもうこれらに関するイベントが決まった時点で、今回は走行期間中に行こう、と決めたくらいなので。
一日乗車券が残り少ないと聞いていたけれど、両作品とも買えて嬉しかったですよ。
あとは前回乗った時(きらら展大阪とのコラボ開催だったかな?)も知らない駅で色んな物が見られて楽しいなあ!だったけれど、今回は貴船口の駅が駅からちょっと出るとこんなすげえのか!!って知ることが出来たのが、すごく、ものすごくよかった。
この画像撮ってたすぐそばとか、その次の鞍馬口駅に「クマ最近この辺出たよ!」って看板があったのは「マジか!!」ってなってビビったけど。
まあ冷静に考えれば結構な山奥だから、そりゃクマや猪や鹿が出てもおかしくはなさそうではある。
そんなところを観光電車や通勤車両が走ってる方のが不思議なだけで。
鞍馬口から折り返して出町柳行ってまだ時間に余裕がありそうだったのと、移動時に読んでた「AIとSF」の野崎まどさんの作品があまりにも馬鹿馬鹿しすぎて、実地確認をしたかったがためにそのまま三十三間堂と京都国立博物館へ。
三十三間堂では入口でアジア系のねーちゃんにものすごい鬼気迫った表情でカタコトかつ早口の英語で「チケット代恵んで(多分そういう意味だったと思う)!!」って捲し立てられたんだけど、なんか怖かったから普通にスルーした……。
それにしてもあの辺の界隈を歩いていると、往時に豊臣秀吉が色々とやった跡地やら痕跡やらがそこら中に残ってて、本当に金あったんだなあ、とか思わされる。スケールが違う、想像も出来ねえ金持ちのやる所業の痕跡がもう本当にいっぱいあるの。
そりゃあの辺に霊廟作られるわけだし、結果や経過は色んな評価がされるんだろうけれど、スケールの違うことをどんどんやってた偉人ではあったんだなあ、って。
そんな場所の一角に冗談みたいな名前の喫茶店(喫茶Amazon)っていうのがあって、なんか良さげだったので寄ってみたり。
店員さん(もしかしたらマスターさん?)が電話を取る度に「はい!Amazonです!」って言うものだから、なかなか堪えるのが大変だった。
お店自体は帰ってきてからこの辺に地縁の強い両親に聞いたら、どうも50年かそれ以上前からそこにあって有名なお店だったらしい。
こぢんまりとして落ち着いていて値段も悪くない上に独自の菓子(なんだあの蒸しパンみたいな見た目の「マフィン」は)もあるようないいお店だったので、この辺に来る用事があって興味があったら寄ってください。名前は兎も角として本当にいいお店だと思ったんで。
それで豊臣秀吉さんの偉業を知ってしまったのと、国立博物館に置いてあったチラシで気になったのと、金曜日でナイトミュージアムやってくれてた上に宿から近い位置だったので、京都文化博物館の織田有楽斎展へ。
まず何が驚くって、中にある年譜を見て、歴史好きには当たり前のことらしいんだけれど、武田攻めと本能寺の変が同じ年しかもかなり近い時期に起こってるんだよね、ってこと(そりゃ諸大名特に織田勢に近い人はパニック起こすわ……)。
あとは俺がその道に明るくないからよくわからない部分も多かったんだけれども、これでもか!とばかりに現代まで残っている茶器や飾り武具が絢爛極まりないこと。
あれらはこの展示会自体が完全撮影禁止だったんでここでは紹介できないのだけれども、本当にインパクトの強い物品や書状がいっぱい並んでて、圧倒されっぱなしになっちゃう。
この展示会でメインで紹介されている織田有楽斎さんもとにかくお金があったんだろうし、長く生きることで色んな人脈を築ける人柄とか、そういう部分が一緒に展示されていた書状からも窺い知ることもできるし、今やってる大河ドラマには多分出ないだろうけれど、大阪城の陣でギリギリまで和平交渉を買って出ていたことも知ることが出来て、歴史であまり取り扱われない人物でも偉大な人はいるんだなあ、という感想。
自分はどこまで行っても凡愚でしかないから想像もつかない世界でしかないのだけれども、人と人を繋げるような人間ではありたいよなあ、とかは思える、とてもよい展示会でした。
しかしこうやって旅程を書いていても、場所が見事にバラバラすぎて「バカの考える京都旅行」そのまんまだなあ。
まあそういう衝動性は今に始まったことではないんだけどね!!